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オーダーメイド住宅 | 自分たちに合った住まいのつくり方

  建築コラム

自分たちのライフスタイルを考え、テイストを盛り込む

あなたが家づくりをはじめようと、思われたきっかけはなんですか?子どもの成長に合わせて?または終の棲家と考えて?家づくりのきっかけはそれぞれのタイミングで異なります。自分たちの家だから、より自分たちらしいものにしたい。では、自分たちはどんな家が好きなんだろう?

インターネットなどのメディアや紙媒体を通じて、世界中のさまざまな最新情報を手に入れることができるようになったこの時代。個人の住宅だけでなく、おしゃれな店舗や建築事例を見ていると、目に入ってくるのは「カフェ風」や「古民家風」「カリフォルニア風」といったキーワード。憧れの空間の情報を手に入れやすい背景もあり、イメージ先行で考える方もいるように思います。

本当の意味での「オーダーメイド住宅」

家づくりを考えたときに、テレビや雑誌で見た住まいに憧れ、こんな家にしたいと思うことはけっして間違いではありません。情報の収集はたしかに必要ですが、自分たちの憧れのテイストだけでつくってしまうと結局は、好きなパーツを集めただけの住まいになってしまいます。

情報収集はあくまで収集。むしろ大切なのはここからで、暮らしの基盤となる自分たちのライフスタイルをしっかり考えること。それがわかったうえで、好みのテイストを盛り込んでいけば、本当の意味での「オーダーメイド住宅」となるのです。

この空間でどう過ごすのかイメージしてみる

まず自分たちは、この住まいでどう暮らしていくかをイメージすること。そして、つくり手側にしっかりと伝えること。そうすることで、本当の自分たちらしい住まいができるのです。

リビングにおいても、ソファやテーブルを置いて、という風景を思い浮かべるより、家族が集まるこの空間でどう過ごすかをイメージしてみましょう。もし、イメージがなかなかわかないようであれば、まずはあなたの今の暮らしをじっくり考え、それをつくり手側に話してみてください。

人はなにごとにおいても、なかなか客観的に自分を見ることができないもの。つくり手である第三者に自分の思いを伝えることは、自分を見つめなおす機会となり、さらには今まで気づくことのなかった「自分らしさ」を発見できるかもしれません。だからあなたの思いのままに、つくり手に語りかけてみましょう。

ちょっとしたエッセンスをリビングに取り入れる

リビングとは家族の居場所となり、団らんを楽しみ、安心して過ごせる場所。リビングにちょっとした「おまけ」をつくることも、ひとつのアイディアとしておすすめです。「おまけ」って、ちょっとあるだけで、なんだか嬉しくなるものですよね。それを空間にも取り入れるのです。

たとえば、リビングに小上がりの和室をつくってもよいでしょう。薪ストーブスペースなども暮らしを豊かにする空間だと思います。それが、お子様やご主人の読書やゲームコーナーだったり、奥様のお気に入りの雑貨が並ぶ家事スペースだったりするかもしれません。小さくてもそこで誰かがなにかを楽しめる、あったらいいなと思えるエッセンスがあればよいのだと思います。

住まいはこうあるべきというルールはありません。住まい手はもっと自由であっていいはずです。「これでいい」から「これがいい」と言えるように、「わたしたちはどうしたいのか」という気持ちを軸にして、わが家流の住まいを考えてみませんか。


一級建築士 山形 誠

1961年3月生まれ。有限会社山形建築研究所主宰。

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