代表・小林かぐみ
宇都宮市および近隣地域で庭の管理のアドバイスや、花壇植栽、メンテナンス作業を行う。ナチュラルな庭づくりに定評のある自然を愛するガーデナー。
秋がベスト!春まで庭を彩る花壇をつくろう!
秋は植え付けに最適な時期
冬から春にかけて、花壇やお庭を彩るパンジーやビオラ。春に咲き誇る姿は、春のさわやかな風とともに、私たちの気持ちを明るくしてくれますよね。春にたくさんの花を咲かせる一年草は、秋に植えるものがほとんどで、この時期、パンジーやビオラをはじめ、たくさんの苗が多く出回ります。
寒さの厳しい1~2月は花が少なくなる場合もありますが、今、植えておけば、木々が落葉して緑も少ない時期に、寂しくなった庭先に色を添えてくれます。秋は夏ほど水やりの心配もないので、初心者でもはじめやすいシーズンです。庭に花壇スペースがない場合、鉢に寄せ植えしてもよいでしょう。
一年草、多年草とは?
一年草とは、種から発芽し、枯れるまでのサイクルが一年程度の草花です。秋によく出回る一年草は、冬から春に咲くパンジー、ビオラ、ハボタン、キンギョソウ、ストック、アリッサム、デージー、カレンデュラなど。植え付け時期は、関東では10月中旬~11月下旬が適期です。花壇、鉢植え、寄せ植え、ハンギングバスケットなどに幅広く活用できます。
一方、数年間にかけて生育する草花が多年草(宿根草)です。一年のなかで、落葉する期間があるものと、通年葉が緑の状態を保つもの(常緑多年草)があります。また、多年草(宿根草)も秋は植え付けるのに最適。夏に咲く多年草(宿根草)が値下がりしたりすることもあるので、チェックしてください。
どのくらいの大きさになるのかを調べよう
一年草は、株幅20〜30㎝になる植物が多い(パンジー、ビオラなど)ですが、植え付け時から大きさがあまり変わらない植物(ハボタンなど)があります。ブランド草(花の品種名や特徴が写真とともに書いてある札付きのもの)だと、一般的品種より大きくなる改良種の場合もあります。多年草の大きさは、もっと多様です。名札の裏面をよく見たり、店員さんに確認したり、ネットで調べてサイズを知っておきましょう。ネットで調べる場合は、「植物名+草丈/株幅/株間」で検索すると情報を得やすいです。
一年草だけで花壇をつくる
1㎡あたり一年草16~20株を用意します。春になると、一斉に咲き誇り、人目をひく華やかな花壇になるでしょう。毎年のテーマカラーを決めるなど、そのシーズンごとに違うデザインを楽しめます。
一年草と多年草(宿根草)を組み合わせて花壇をつくる
1㎡あたり、一年草10株前後、常緑多年草3〜5株前後が目安です。多年草は年々大きくなるので、一年草を植えられる面積は反比例して減ってきます。ランニングコストは一年草だけの花壇より抑えられます。常緑で、葉の色が美しいものや斑(模様)入りの多年草を一年草と組み合わせて植えておくと、花が少ない1~2月も葉の色で見た目をフォローしてくれます。
良い苗を選ぼう!
苗を選ぶときは下記のポイントを見てください。
- 節間が詰まっていてぎゅっとしている(のびのび広がっていない)。
- 葉の色がはっきりしている。
- コケが生えていない。
- つぼみの数よりも、葉の数が多い。
- 茎が太くしっかりしている(ぐらついていない)。
花苗の植え方のポイント
①花壇の中に仮置きして配置を決める
一年草は25~30cm間隔、多年草は30~50cm間隔に並べます。植物の成長時の大きさを予測して、間隔をあけます。
②植え付ける
配置が決まったら、花壇の奥の方から植えていきましょう。手前から植えてしまうと、奥が植えにくくなってしまいます。根がぐるぐると絡まり、土が見えないほどびっしりしている苗は、根をやさしくほぐしてやります。細かい根の先端部が、花壇の土にしっかりと伸びていけるように手助けするイメージです。
③水やりをする
植えた当日は、たっぷりと水をあげます。花や葉にかけるのではなく、水が根や回りの土に届くように、やさしい水流で根本にかけます。1苗ごとに、3~5秒かけてゆっくりあげます。これを2~3回ずつ繰り返します。
あとは基本的に水やりはしなくても大丈夫。雨がしばらく降らずに、土がからからで葉っぱがしおれてきそうな場合は、初回同様の水やりをしてください。ただし、鉢植えの場合は土が乾いたら水やりします。
成長を楽しみながら庭づくりを
花壇をつくり、花を植えるのは、庭を育てる作業の1つです。家は建った時が完成で、少しずつ熟していくイメージですが、庭は、はじめはまだ赤ちゃんで、これからぐんぐん育っていく子どものようです。マイガーデンをご家族の皆さんで、個性豊かに育ててみませんか。庭の一部に新しく花壇をつくる、というのもおすすめです。(次回に花壇のつくり方を説明します)。