リビングに収納場所がない!どうする?
主にマンションや建売住宅など、わが家には欲しいところに収納がない!という方は少なくないのではないでしょうか。今回は「リビングに造作の収納がない」という状況を想定して、収納場所を確保するコツをお伝えしたいと思います。
リビングには多少狭くなっても収納場所を確保!
まず前提として……、自宅の設計の段階から関わることができるなら、リビングには何かしら収納場所を確保しておくほうがおすすめです。書類・文具・本類・薬など、リビングにはいろいろなモノが集まってくるもの。細々としたモノに定位置がないと、リビング全体が雑多な印象になってしまいます。収納場所を確保すると部屋が狭くなるように感じますが、収納スペースが近くにあることでモノが片付きやすく、結果、部屋が広々と使えます。
こちらのお宅は、動線を考え、キッチン前に奥行き30㎝の可動棚(棚板を好きな高さに変えられる棚)を計画しました。文具やよく使うバッグ、子どものおもちゃなどがたっぷり収納できるので、使う場所のすぐ近くに、出しやすく、しまいやすい状態で収納できています。このように、新築時に、置きたいものに合わせて造作収納を計画すると、すっきりと置き場所を確保することが可能です。
リビングに何を収納するかを決める
リビングに収納がない場合、収納家具を置くことになりますが、その前に慎重に考えていただきたいのは、リビングに何を収納するか、です。リビングで長い時間を過ごす場合、あれもこれもと置きたくなりますが、使用頻度を元に優先順位を決め、よく使うものをゆったりと配置することを心がけましょう。
たとえば、子どものモノは子ども部屋に!と決めてリビングに定位置を作らないご家庭もあります。それで、きちんと子ども部屋に戻しているならいいのですが、結局リビングに学用品やおもちゃが散らばっているという場合、私はリビングか隣接する部屋に子どものモノの定位置をつくることをおすすめしています。
定位置までの距離と片付けやすさは反比例するもの。定位置が遠ければ遠いほど、片付けにくくなるというのは、大人も一緒ですよね。リビングに散らかりがちのものを観察して、その定位置を使う場所の近くにつくってみましょう。
収納家具を選ぶなら、引き出しより棚
リビングに置くものが変わる可能性があるご家庭は、収納家具を新調するなら、引き出しよりも棚家具をおすすめします。棚家具のほうが、収納できるものが幅広く、また、収納ボックスや引き出しを入れ込むこともできるので、変化に幅広く対応できるからです。奥行きが30~40センチの可動棚ならよりよいですね。置きたいものに合わせて棚を変えられるので、「ここに収納したいのに入らない!」が激減します。
扉の有無で迷われる方もいらっしゃいますが、そこは住む人の特性を考えて決められるといいと思います。小さい子どもや、扉を開けるのが面倒でついつい棚の上に置いてしまう……という方には、オープン棚がおすすめ。もちろん、扉の開け閉めが苦にならない方は、扉があるほうがすっきりとしますね。普段はオープン棚として、来客のときだけロールスクリーンを下ろす、という方法もあります。
「オープン棚だと雑然とする」と感じる場合は
扉があると面倒だけれど、扉がないのも、リビングが雑然と感じそうで不安だ、という声もよく聞きます。その場合は、棚に統一感を持たせた収納ボックスを入れ込むと、扉がなくてもすっきりとします。
その際、収納ボックスと上の棚板のあいだに、ゆとりを持たせることがポイント。収納ボックスを引き出すことなく、楽にモノの出し入れをすることができます。
棚を死角に置く方法も
また、オープン棚を置く場所を、丸見えにならない場所にする、という方法もありますね。わが家の息子のランドセル置き場を例に出すと、ソファの後ろ側に一段のオープン棚を置いています。
最近は、新築時には造作収納を計画することが多くなりましたが、置き家具には、状況によって、置き場や収納家具を変えていけるフレキシブルさがあります。「今の最善の収納はどんなものがいいかな?」と謎解き気分で考えられるといいですね。
そうは言っても、なかなか自分で最善の収納方法は見つけづらいもの。「リビングに収納が無いので困っている」という方は、お近くの整理収納アドバイザーやインテリアコーディネーターに相談してみるというのも一手です。
整理収納アドバイザー1級。インテリアコーディネーター。「おうちを心地よい空間に」を活動の軸として、個人宅での整理収納レクチャー、新築時の収納計画などの依頼を受けている。
◎片付け相談所かげいろ: https://kageiro.com
◎栃木県の有志の整理収納アドバイザーの集まり「トチカタ」: http://tochikata.info/