それ、本当に必要ですか?
自宅の収納許容量、意識していますか?
自分が暮らす家の収納許容量を超える量のモノを持たないこと。これは、すっきり暮らしたいと思ったら、意識しなくてはならないことです。でも、買うのを我慢するのは嫌だ!と思われる方、多いですよね。私もそうです。
では、「そんなに使わないもの」に割く収納の面積を減らす、という視点から考えてみてはいかがでしょうか?今回は、モノの持ち方について考えてみたいと思います。
布団はレンタルでもいい!
私の仕事のひとつに新築時収納計画があり、マイホームを新築される際、どこに何を収納するかをお客様と一緒に考えています。その際、多くのお客様は「新築したら、和室の押し入れには客用布団を2組ほど買いたい」とおっしゃいます。
しかし、話をよく聞くと……泊まりのお客様は頻繁にはいらっしゃらない、という方も少なくありません。そのようなお客様でも「新築したら客用布団」という思い込みがあるようです。
もし客用布団2組分に割く面積を別のことに使えるとしたら、欲しかったプラスαの空間ができるかもしれません。ハンガーパイプをつけて、普段着用のクローゼットにすることもできますし、棚家具を入れ込んで、趣味の作品のギャラリーにすることだってできるのです。
使用頻度が少ない方におすすめするのが、レンタル布団です。私の暮らす栃木県宇都宮市だと、1組1泊3000円ほど(掛け敷き布団・枕・各種カバー付き。送料込み)。買いそろえる手間と費用、使用した後の洗濯や干す・しまうという労力、そして貴重な収納場所を割かなくていいと思うと、決して高いレンタル料ではないと思います。
同様に、「レンタルする」ことをおすすめするモノとしてはベビーベッドのように限られた期間のみ使うものです。自分の子が使わなくなって、処分するのももったいないと困っているお客様もたくさんお見かけしてきました。買う前に、友人で貸してもらえる人がいないか探す、レンタルサービスを利用することを検討する、などワンステップ挟むことで、買わなくて済むものがあるかもしれませんね。
入学式・卒業式用のスーツは着まわせるものに
先日、アパレル販売員歴20年という方のお話を聞く機会があったのですが、「私は、入学式・卒業式用のママ向けセットアップスーツはすすめない」とおっしゃっていました。
数年に1度しか着ない、ハレの日専用のスーツを買うよりも、上下別々にいろいろなシーンで着まわすことを想定して買った方が絶対お得!とのこと。私自身、入学式に着るためだけに、春用スーツを持っていますが、もうそれも9年前のもの……。来年の娘の中学の入学式には、「着まわせる服」を新調してみようかと思っています。好みの服が見つかれば、レンタルでもいいかもしれません。
この「〇〇専用」という考え方、スーツ以外にもありそうですね。たとえば食器。「お客様用」という概念をなくし、柔軟に使いまわすことができれば、持つ量は少なくてすむでしょう。また、お気に入りのものを何度も使うことができれば、お得な感じもしますよね。
ひな人形や節句飾りはコンパクトでも
買った後に、「意外に大きいな」と思ったものはありませんか?私自身が少し後悔しているのが季節飾りです。自宅の収納に入るものという制限の中で選びましたが、ひな人形・羽子板・兜・破魔弓・クリスマスツリーで、半間の収納が埋まっています。自分が買った後に、友人の家で、小さくでも手をかけて作られたことがわかるひな人形や兜を見たときに、こんなに小さくて上質なものがあるのか! と驚きました。
こればかりは好みがあるので、絶対に小さいものの方がよい、というわけではありませんが、購入する際に「収納時、どれくらいの場所を取りそうか」をチェック項目のうちの1つに入れることも必要でしょう。
本や写真はデータでいい場合も
近年、日常生活でも「情報」を持つことで、「モノ」を持たなくてもいいものが増えてきましたね。置き場に困る本は電子書籍の登場で、スペースのことを考えず、気軽に購入することが可能になりました。写真をプリントアウトしなくても、データのまま大画面で楽しめる製品も人気です。
整理収納アドバイザー1級。インテリアコーディネーター。「おうちを心地よい空間に」を活動の軸として、個人宅での整理収納レクチャー、新築時の収納計画などの依頼を受けている。
◎片付け相談所かげいろ: https://kageiro.com
◎栃木県の有志の整理収納アドバイザーの集まり「トチカタ」: http://tochikata.info/