一緒に楽しむ!子どもの作品の整理収納法

子どもの作品、どう保管する?
「子どもの作品を、どれだけ、どのように保管すればいいですか?」という相談をよく受けます。作品の最適な整理収納法は、家の広さやお子様の作品への思い入れなどにより異なってきますが、今回は一例として、小5娘、小2息子がいるわが家の整理収納法をお伝えしたいと思います。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、半月も早く突然始まったわが家の春休み。先日、学校に置いていた道具類と一緒に1年間の作品を持って帰ってきたので、今年度の作品整理を親子で行いました。

まずは中身を全部だして分けること!
お客様の家に片付け作業に伺うと、このような大きな袋が、どさっといろいろなものが入ったままで納戸に置かれているのをよく見かけます。中をのぞくと不要なプリントや教科書なども入ったままのことも…。持ち帰ったらなるべく早く、この中身を一度全部出して分け、「残したい作品だけを選ぶ」ことが最大のポイントです。

整理の時間は親子で作品を楽しむ
ポイントの2つ目は、この仕分けの時間を、親子のコミュニケーションの時間にするということ。「どの絵が一番お気に入りなの?」「ママはこの絵が好きだなぁ!」一枚一枚親子で見ていった上で、「取っておかなくてもいいものある?」と子ども自身に決めさせます。

私自身、整理収納について学ぶ前は、「子どもの作品を捨てるだなんて!」「母親たるもの、子どもの作品を大切に保管しておかなければ」のような義務感にとらわれていましたが、「子どもの作品は子どものもの」「収納スペースが許す範囲で保管する」ということをわが家のルールにすることで、その思い込みを手放すことができました。
たとえばこの分ける作業のときに、子どもが「いらない」と言っても、お母さんやお父さんがどうしても気に入ったものがあれば、その作品の所有権は大人に移動。そして、大人の持ち物を保管する場所へ移動させればいいと思っています。「子どもの作品は誰のものか」を意識するだけで、整理収納はしやすくなりますね。
作品は定量を持つようにする
ある程度、残したいものが決まったら、次は「思い出BOX」に“殿堂入り”するものの選抜大会を行います。わが家では、立体作品は、一人ひとつ持っている「思い出BOX」に入る分だけ持つというルール。この「定量管理」が3つ目のポイントです。過去の作品と照らし合わせて、どれを残すか決めていきます。

わが家は子どもの思い出のものは、子ども部屋クローゼットの枕棚に乗るだけ、が定量です。立体作品が入った「思い出BOX」と、学校から持ち帰った不織布に入れた絵や習字、自由帳やファイルなど、成長を感じられるものも残しています。幼稚園のときの発表会で着た、先生お手製の衣装も大切に残してあります。

作品は味わうために残す
1年に1度、この“殿堂入り”を決める時間は、私にとっても、子どもたちにとっても思い出に浸る楽しい時間です。絵や立体作品もそうですが、休み時間に絵やお話を書いた自由帳や、「せんせいあのね」ノート(日記)もとても貴重な思い出です。小さい頃、一生懸命書いた文章を一緒に笑って読むとき、幸せを感じます。

こういう「思い出のもの」を味わう時間こそが、何よりも大切だと私は思うのです。子どもたちの作品、「保管すること」が目的になっていませんか?作品の整理は「捨てる」ためにするものではありません。残したものをより大切に味わうためにするのだということを忘れず、春休みにぜひ子どもと一緒に作品整理をやってみてくださいね。

整理収納アドバイザー1級。インテリアコーディネーター。「おうちを心地よい空間に」を活動の軸として、個人宅での整理収納レクチャー、新築時の収納計画などの依頼を受けている。
◎片付け相談所かげいろ: https://kageiro.com
◎栃木県の有志の整理収納アドバイザーの集まり「トチカタ」: http://tochikata.info/