代表・小林かぐみ
宇都宮市および近隣地域で庭の管理のアドバイスや、花壇植栽、メンテナンス作業を行う。ナチュラルな庭づくりに定評のある自然を愛するガーデナー。
簡単DIY!小さな花壇の作り方
今回は、庭の芝の中に新たに花壇を作りたい方にその作り方をお伝えします。わが家では子どもと一緒に花壇を作りました。親子で楽しみながら簡単に作れますよ。
小さな花壇の作り方
芝生の庭の一部に花壇を作る例をご紹介します。芝ではなく土の部分に花壇を作る場合は、②~③の作業は省きます。
① 花壇の範囲を決める
レンガなどを仮置きして、花壇のラインをおおまかに決めます。四角くすれば、きちんと整ったフォーマルな印象に。丸やカーブにすると、やさしく自然な印象になります。庭の動線や周囲の植物との兼ね合いも考えて位置を決めれば、庭のバランスがとれます。
② 芝を切る
決めた花壇のラインに沿って、剣スコップを垂直に踏み込み、芝を切ります。かたいと感じるかもしれませんが、大人が両足でスコップに体重を乗せると剣先が入っていきます。
さらに、およそ30cm角になるように、縦横に切れ目を入れるとその後の芝をはがす作業がスムーズです。あくまでも芝をはがしやすくするためなので、正方形にとらわれずに適当な形でかまいません。縁に仮置きしていたレンガや石は作業の邪魔になるので避けておきましょう。
③ 芝を剥がす
切れ目を入れた芝を、はがしていきます。土が周囲を汚すため、気になる場合はブルーシートや段ボールなどで養生するとよいでしょう。芝の根は5~10cmほどの長さなので、根こそぎはがします。剣スコップを、芝をすくうように斜めの角度に入れて、テコの原理で持ち上げるようにすると、芝がはがれます。根に着いた土は移植ゴテなどで叩いておおまかに落とします。雨上がりは土が重く作業性が悪いので、できるだけ土が乾いている時にやりたい作業です。
④ 花壇の縁取りをつくる
レンガや石を並べたり、市販の見切り材(土に差し込む板)を設置して花壇の縁を作ります。縁を設置しなければ、芝も伸びてくるので、より自然な雰囲気に仕上がります。その場合は、花壇に植えた植物が芝に負けないように、侵食しすぎた芝は切る手間が必要です。
⑤ 花壇用土を作る
花壇予定地の土の上に、完熟腐葉土(葉の形が残っておらず、土のような形状になっているもの)やバーク堆肥(樹皮が原料の腐植土)をのせます。10~15cmほどの厚みになるように(盛れる範囲で、できるだけたっぷりのせます)。
土作りの方法として、「耕す」という作業が一般的ですが、今回は耕さない方法で、上にのせるだけでOKです。完熟腐葉土やバーク堆肥など、有機質の土をのせることで、有用微生物の働きが活性化し、時間をかけて自然の力で土がほぐれ、草花が育ちやすい状態になっていきます。
⑥ 平らにならす
元々の凹凸があると、後になって土が部分的に沈んでしまったりするので、少し土を落ち着かせます。踏み固めない程度に、花壇を歩き、くぼんでいるところは土を足します。そのあとで、足跡を消すようにほうきや、熊手、レーキ(草掻きなどに用いる農具)などで平らにならします。
動物性堆肥(牛糞、鶏糞など)や肥料も混ぜる場合は、肥料がなじむまで2週間寝かせる必要がありますが、完熟した腐葉土やバーク堆肥など植物性用土のみを使用すれば、花壇造成後すぐの定植(苗を植える)が可能です。
剥がした芝の再利用法
剥がした芝はそのまま再利用できます。敷地内の別の場所に植える場合は、土の上に芝をのせ、その上から目土(市販の芝用の目土や赤玉土小粒、山砂など)をまき、熊手やほうきで芝の中に(根の部分に)目土を刷り込み、水をやります。
敷地がない場合は、植木鉢に入れても小さな箱庭のように楽しむことができます。土を入れ、表面に芝をのせ、芝の上から目土をかけます。オーナメントを飾ったり、ガーデンピックを挿したりすると、かわいいですよ。
また、お庭の一部に芝を貼りたいなぁと思っている人が案外います。新居をかまえたばかりのお友達や、ガーデニング好きな方に声をかけてみましょう。すぐに渡せない場合は、敷地内の明るい日陰に置いて、根が乾かないように水やりをして保管します。
バランスのよい苗の植え方
花壇ができたら後は好きな苗を植えましょう!(花壇の作り方のポイントはコチラを参照してください)ちなみに「どう苗を選んだらよいのかわからない」という方には、まずは「3」という数を目安にするとバランスがとりやすくなるので、おすすめです。
3つのポットを植える
1つめは一番気に入った、メインの花。2つめは、メインの花の色に合わせた添えの花。3つめは、引き立て役、もしくはアクセントにするグリーンを選びます。小さなスペースや鉢の寄せ植えにおすすめです。
3の倍数で植える
たくさん植えたい場合は、1種×3のまとまりで考えます。たとえば、黄色と紫のミックスカラーの花×3、黄色の花×3、淡い紫の花×3。3色の草花を選ぶとバランスがとれます。ミックスカラーの花は目をひきますが、多用するとまとまらなくなるので要注意です。
三角形に配置する
三角形(3苗セット)を組み合せるように配置すると簡単です。