代表・小林かぐみ
宇都宮市および近隣地域で庭の管理のアドバイスや、花壇植栽、メンテナンス作業を行う。ナチュラルな庭づくりに定評のある自然を愛するガーデナー。
梅雨にしておきたい庭の手入れ
蒸れによるダメージが心配な時期
アジサイに滴る雨のしずくが美しい梅雨の時期。土も植物も恵みの雨を受け、みずみずしく、梅雨明け後の成長に備えます。涼しげに見える反面、この時期は植物も蒸れすぎると人間同様に不調になりがち。
お互いに被さりあって日当たりが悪くなってしまったり、茂りすぎて風が通る隙間もなく、蒸れて下葉(株の下の方についている葉)が枯れてしまったり。そうこうして植物自体の体力が弱ると、病気や虫によるダメージを受けやすいようです。
梅雨の間に一度メンテナンスを
植物は、個々の性質に適した場所で、無理なく枝葉を伸ばせる環境であれば、いきいきと育っていくでしょう。でも、戸建ての庭環境では多くの場合、密植(植える間隔が狭く、植物の本来の大きさに見合わずに密になっている状態)になっていて、土壌もよくないことが多いので、健康に育てるには少し手を加える必要があります。
梅雨が明けて植物たちの生い茂るパワーときたら、わかっていても圧倒されるほどですから、蒸し暑い夏を乗り越えていくために、梅雨が明けるまでに一度メンテナンスをしておきましょう。
風通しをよくすること
「風通しをよくし、植物も人間も心地良い環境にする」。これがメンテナンスの目的です。植物の間を風が通り抜けて気持ちよさそうなイメージをもち、植物が互いにぶつかったり、圧迫し合わない状態を目指しましょう。鬱蒼(うっそう)としていた庭も、風通しがよく明るくなり、植物だけでなく人間にとっても過ごしやすくなります。
樹木は透かし剪定をする
梅雨時期から梅雨明けにかけて、病虫害が発生しやすいのは草花だけではありません。樹木も風通しが悪いと病気が発生しやすいので、透かし剪定をしましょう。支障枝を取り除き、アウトラインを整えるだけで、自然な透かし剪定ができます。
春から初夏に咲く花木類は、7月になると翌年の花芽がつくられるため、夏以降の剪定が翌年の開花に影響する場合があります。剪定するなら開花後できるだけすぐに行いましょう。インターネットで「樹種+剪定適期」などと検索すると調べられます。
<支障枝(忌み枝)とは>
- 絡まっている枝
- 枯れ枝(水気がなく簡単に折れる枝)
- 逆さ枝(下に向かっている枝)
- 並行枝(隣り合っている枝の向きが平行な枝)
- 弱小枝(ひょろひょろとした枝)
- 徒長枝(節や枝分かれが少なく、勢いよく伸びすぎている枝)
- ひこばえ(株元から生えている枝)
増えすぎた多年草は減らす
あれもこれも育ててみたくなるのは植物好きの性でしょうか。気がついたら庭の隙間がないくらいに草花が生い茂っていることは、よくあることだと思います。ある程度、年数が経ってくると、ガーデニングには足し算よりも引き算が重要になってきます。
大きくなりすぎた多年草は、株分けをして小さくしたり、切り戻しをしてアウトラインを小さくしたり、あまりにもその場所が混みすぎているようなら、思い切って引き抜いて新しい居場所を見つけてあげる必要があります。そんなことをしなくても伸び伸びと育ててあげられる環境が本当は望ましいのですが、日本の住宅事情ではなかなか難しいところですね。
切り戻しをしてみよう!
下記は花壇の手入れを行なった際の作業前と作業後の写真です。ハマギク、ヨモギ、ツルニチニチソウが旺盛すぎて他の植物に影響が出そうなので思いきって整理し、新たに一年草を手前に植えました。
フェンス前の小さなスペースには、オレガノマルガリータ(黄緑葉)、ペンステモン(中央)、サルビアネモローサ(青紫の花)が植えてありましたが、あまりに乱れてきたので一度リセット!それぞれを剪定して落ち着きました。
ラベンダーも蒸れて下葉が枯れやすい植物の筆頭です。そのままにしておくと、伸びすぎた枝先が重くなり、ばたばた倒れて形が格好悪くなるので、花後は切り戻します。枝葉が二分の一残っていれば大丈夫です。
切り戻した草花を飾って楽しもう!
咲いている花を切るのは慣れるまで勇気がいりますが、この時期に切っておくと、秋に(中には梅雨明けに)もう一度咲いてくる花があったり、株元からよく脇芽がでて、バランスのよい株に育ったりするので、ぜひ挑戦してみてください。切り戻した花は飾って楽しめば、雨で外に出られない日も明るい気持ちになれますよ。
たとえば、花好きな方とのオンラインミーティングの際に、背景に花が映るだけで華やかな気持ちになることもあります。また、キッチンの小窓に飾ると、台所に立つたびに癒されます。ぜひ、暮らしに彩りを添えてみましょう!