共働きで家を建てるなら「ペアローン」と「収入合算」どっち?

共働き夫婦が後悔しない家づくりのヒント
共働き夫婦にとって、マイホーム購入は人生の大きな節目のひとつです。二人の収入を活かして希望のエリアや間取り、設備を実現したいと考える方も多いでしょう。そんなときに気になるのが「住宅ローンの組み方」です。特に、「ペアローン」と「収入合算」は、どちらも共働き夫婦が利用しやすい選択肢としてよく取り上げられますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。将来の生活設計やリスクへの備えも踏まえて、自分たちに最適な方法を選ぶことが大切です。本記事では、「ペアローン」と「収入合算」の違いや特徴を詳しく解説し、共働き夫婦が後悔しない家づくりを実現するためのヒントをお届けします。
共働き夫婦が住宅ローンで重視すべきポイント
共働き夫婦の場合、住宅ローンを検討する際には、以下のようなポイントを意識する必要があります。
- 借入可能額をどこまで増やせるか
- 家計に無理のない返済計画が立てられるか
- 住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けられるか
- 将来のライフプラン (出産・育休・転職など)に対応できるか
夫婦の合計年収をもとに借入額を大きくできるのは魅力ですが、その分、将来的なリスクも考慮しておく必要があります。
「ペアローン」と「収入合算」の基本的な仕組み
ペアローンとは
ペアローンとは、夫婦それぞれが別々に住宅ローンを契約する方法です。たとえば、3000万円の住宅を購入する場合、夫が1500万円、妻が1500万円というように、個別にローンを組みます。
特徴
- 夫婦ともに「主債務者」になる
- それぞれが住宅ローン控除を受けられる
- それぞれの返済義務が独立している
収入合算とは
収入合算は、主に一方が主債務者となり、もう一方の収入を「連帯保証人」または「連帯債務者」として合算する方法です。
特徴
- 1本の住宅ローン契約で済む
- 住宅ローン控除は主債務者のみが受けられる
- 合算者は保証人または連帯債務者となる
ペアローンと収入合算のメリットとデメリット
ペアローンの場合
- 夫婦それぞれが住宅ローン控除を利用できる
- 所得税・住民税の軽減効果が高い
- 借入可能額を増やせる
- 世帯合計収入を活かして理想の住まいを実現しやすい
- 支払いの責任が明確
- 個別ローンなので、お互いの支払い状況を把握しやすい
- 手続きが2倍になる
- 住宅ローン審査や契約書類がそれぞれに必要
- 団信 (団体信用生命保険)も別々に加入
- コストが増えることもある
- 将来、片方が退職・育休に入ると返済負担が大きくなる可能性
収入合算の場合
- 契約手続きがシンプル
- ローン契約は1本、団信の手続きも主債務者のみ
- 一方が働けなくなっても返済計画を見直しやすい
- 一元管理できるため、柔軟な対応が可能
- 夫婦のどちらかが扶養に入る予定がある場合に適している
- 住宅ローン控除を利用できるのは主債務者のみ
- 税制上のメリットが片方だけになる
- 連帯保証人・債務者としての責任が生じる
- 主債務者が返済できない場合、全額を支払う義務がある
- 借入額の上限はペアローンほど高くない
あなた達夫婦はペアローンと収入合算どっちが向いている?
ペアローンが向いている夫婦のタイプ
以下のような夫婦には、ペアローンの活用が向いています。
- 共に正社員で安定した収入がある
- お互いが住宅ローン控除を最大限に利用したい
- 将来的にも働き続ける意志がある
- 持ち分や財産の管理を明確にしておきたい
収入合算が向いている夫婦のタイプ
一方、以下のようなケースでは収入合算が適している場合が多いです。
- 一方の年収が高く、もう一方が扶養や育休に入る予定がある
- 契約や手続きの負担を減らしたい
- 住宅ローン控除は一人分で十分と考えている
- 将来的に住宅の持分や名義を一人に集約したい
その他の注意点: 持ち分や団信の扱い
不動産の「持ち分」に注意
住宅ローンの契約方法と不動産の所有割合(登記上の持ち分)は連動しており、特にペアローンではローンの負担割合に応じて持ち分を設定する必要があります。不適切に設定すると、贈与税の対象になることもあります。
団体信用生命保険の加入内容
ペアローンでは夫婦それぞれが団信に加入しますが、収入合算では主債務者のみが基本的に加入します。そのため、リスクに備える意味でも保険の内容は慎重に見直すべきです。
