建売住宅の購入時にかかる諸費用とは?内訳と節約ポイントを徹底解説

建売住宅の購入にかかる諸費用を解説します
建売住宅は、間取りや仕様がすでに決まっている分、注文住宅よりも価格が明確で、スムーズに購入しやすいのが魅力です。しかし「建物と土地の価格」だけを見て安心していませんか?実は建売住宅を購入する際には、本体価格とは別に“諸費用”と呼ばれる多くの支出が必要になります。「諸費用って何が含まれるの?」「いくらくらいかかるの?」「どうすれば節約できるの?」そんな疑問を抱える方のために、この記事では建売住宅の購入にかかる諸費用を詳しく解説。初めての住宅購入で損をしないためのポイントも紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
諸費用とは?建物・土地の価格以外にかかるお金
住宅購入時の「諸費用」とは、建物や土地の代金以外に必要となる各種費用の総称です。建売住宅の場合、以下のような費用が発生します:
- 登記費用
- 住宅ローン関連費用
- 火災保険料・地震保険料
- 仲介手数料 (※一部ケースのみ)
- 各種税金 (印紙税、不動産取得税、固定資産税等)
- 引越し費用、家具・家電の購入費用
これらを合計すると、一般的に物件価格の6〜10%程度になることが多いです。たとえば3,000万円の建売住宅なら、180万〜300万円程度の諸費用を想定しておく必要があります。
諸費用の内訳を詳しく解説
(1)登記費用
家や土地を購入した場合、所有権移転登記や抵当権設定登記が必要になります。司法書士に依頼することが多く、以下のような費用がかかります。
- 所有権移転登記費用: 5万〜15万円
- 抵当権設定登記費用: 3万〜10万円
- 登録免許税: 土地・建物の評価額に対して一定率
合計で10万〜25万円程度が目安です。
(2)住宅ローン関連費用
住宅ローンを利用する場合、金融機関に支払う費用があります。
- 事務手数料: 3万〜5万円 (定額)または借入額の2%程度 (定率)
- 保証料: 借入額 × 2%程度 (借入額3,000万円なら約60万円)
- 団体信用生命保険料: 多くの金融機関で金利に含まれる
- 印紙税: 契約金額に応じて1万〜3万円程度
住宅ローンを組むだけで、合計で50万〜80万円程度かかることがあります。
(3)火災保険・地震保険
建物の保護のために火災保険の加入が必須です。地震保険は任意ですが、多くの人がセットで加入します。
- 火災保険(10年分): 10万〜25万円
- 地震保険(5年分): 5万〜15万円
建物の構造や所在地によって保険料は大きく異なります。
(4)仲介手数料
建売住宅は不動産会社が売主の場合、仲介手数料が不要なこともありますが、仲介会社を介した取引の場合は以下の計算式で手数料が発生します。
たとえば3,000万円の物件なら約105万円程度です。
(5)税金関連
住宅購入に伴って、いくつかの税金が発生します。
- 印紙税: 住宅ローン契約・売買契約書に各1〜3万円
- 不動産取得税: 土地と建物にかかるが軽減措置あり
- 固定資産税・都市計画税: 引渡し時に日割りで清算
特に不動産取得税や固定資産税は後から通知が来るため、事前に確認しておきましょう。
建売住宅の諸費用を節約する5つのポイント
売主物件を選ぶ (仲介手数料の節約)
不動産会社が「売主」として販売している物件を選べば、仲介手数料がかかりません。100万円近い節約につながる可能性があります。
複数の火災保険会社を比較する
保険料は会社によって差があるため、比較サイトなどで条件を見比べましょう。補償内容を見直すだけで数万円の差が生まれることもあります。
住宅ローンの手数料方式を選ぶ
住宅ローンには「定率型」と「定額型」の手数料があります。借入額が大きいほど定額型が有利になる場合があるため、どちらが自分に合っているか試算して選びましょう。
家具・家電は必要なものから優先購入
新居への引越しではつい一気に家具や家電を揃えたくなりますが、優先順位をつけて徐々に揃えることで負担を軽減できます。
不動産取得税の軽減措置を活用
新築住宅の場合、一定の条件を満たせば不動産取得税が軽減されます。住民票の移動や申請時期に注意しながら、忘れずに手続きを行いましょう。
諸費用はローンに含められる?
基本的に住宅ローンは「物件価格」のみが対象ですが、金融機関によっては「諸費用ローン」や「諸費用込みの住宅ローン」を扱っている場合があります。ただし金利が高くなったり、借入限度額が変わる可能性もあるため、メリット・デメリットをよく確認することが大切です。
仮に3,500万円の建売住宅を購入した場合の諸費用の目安
建売住宅の場合、物件価格の 6〜10% 程度が一般的な諸費用の目安とされています。
- 3,500万円 × 6%=約210万円
- 3,500万円 × 10%=約350万円
したがって、210万〜350万円程度を想定しておくと安心です。
内訳 (概算)
項目 | 費用目安 |
---|---|
登記費用 | 約10〜25万円 |
住宅ローン関連費用 | 約50〜80万円 |
火災・地震保険料 | 約15〜35万円 |
仲介手数料 (※該当時) | 約121万円(3%+6万+税) |
各種税金 (印紙、不動産取得税、固定資産税清算等) | 約10〜30万円 |
引越し・家具家電 | 約20〜50万円(家庭により差) |
※仲介手数料は「売主物件」なら不要です。
節約の余地もあり!
保険やローンの条件、仲介手数料の有無によって数十万円の差が生まれる可能性があります。事前に「諸費用見積書」を不動産会社や金融機関に出してもらうこともおすすめです。
建売住宅の価格は一見わかりやすいですが、実際に家を持つためには本体価格以外の「諸費用」が必要不可欠です。登記費用やローン関連費用、保険、税金など、ひとつひとつは見逃しがちですが、合計すると数百万円になることもあります。
逆にいえば、諸費用を正しく理解し、適切な節約や手続きを行うことで、住宅購入にかかる総費用を大きく抑えることが可能です。後から「こんなにかかるとは思わなかった…」と後悔しないように、事前に情報をしっかり収集して、余裕のあるマネープランを立てましょう。