家を建てたい!とちぎの住まいづくり

設計費用の話

  建築コラム
「テラスインテラスの家」。築年数の経った中古住宅のリノベーションです。1階のみのプラン提案をし、2階の間取りはそのままとしました。ただ、断熱材は1、2階ともすべて吹き付け、サッシは交換とすることで、家全体の環境を向上させています。

建築家に頼むのは怖い?

前回は、模型や動画を用いたプラン提案の流れについて書かせていただきました。(下記参照)

建築家が考える住まい。プランの魅力をどう伝える?
建築家が考える住まい。プランの魅力をどう伝える?
見たこともない建物をどう伝える? 今まで何件か設計させていただいた住まいを紹介してきましたが、今回はどのように私がお施主様に提案しているかを書いていきたいと思い.....

今回は、建物完成まで、その中でもとても重要な「費用」についてお伝えしたいと思います。建築家と家づくりをしたい方はいますが、「費用はどのくらいかかるの?」「何もわからないので怖い」「ハードルが高くて勇気がでない」というネガティブな話もお聞きすることがあるので、少しでもその不安を払拭できたらと思っています。

建築設計事務所の家づくりの流れ

まず、建築家に依頼するときの流れについてお話しますと、私の場合ですが、

  • 1.プラン提案
  • 2.設計契約
  • 3.工事図面作成
  • 4.建設会社へ見積もり依頼
  • 5.工事契約
  • 6.工事着工
  • 7.工事完成・引き渡し

このような流れになります。ハウスメーカー等と進める家づくりと違う部分は、工事契約のほかに設計契約も必要になるところでしょうか。

基本的に設計事務所は工事を請け負いません。設計図を書き、その図面通り工事が進んでいるかを監理し、チェックすることを業としています。それを行う契約が設計契約となります。住まいは人生で一番大きな買い物ですから工事に対し間違いがないよう建設会社と設計事務所のダブルチェック体制で工事を進められるというのは安心できる材料かなと思います。

設計契約をしないと図面が書けない

厄介なのが設計契約をするタイミングです。ハウスメーカー等の場合、プランを提案し、工事金額がでてOKだった場合に工事契約になりますので、そこまでは費用が発生しないことが多いです。しかし、設計事務所の場合、設計契約をしてからでないと工事金額をだすための図面を書くことさえできません。

私もそこが辛いところで、本当はハウスメーカー同様、工事の見積もりを出し、見合った時点で設計契約、といきたいところです。ただ、50枚もしくはそれ以上の図面を書く必要があり、オリジナリティー溢れる住宅になればなるほど、細かい図面が必要で、現実的に数ヶ月かかる作業に対し、費用を全くいただかないで進めることは難しいという現実をご理解いただきたいです。

おおよそのプランと仕様で設計契約をする

一方、お客様の立場で見れば、わかっていることはプランとおおよその仕様。工事金額がわからない状態で数百万という設計契約をすることになります。もちろん設計費用は契約時、上棟時、完成時など分けて支払いますが、それでも建築費用がいくらになるかわからない状態で建築家を信頼し、設計契約を結ぶということになります。たしかに、依頼主からすると「敷居が高い」と感じるかもしれません。

たとえば、私の事務所では一般的な住宅で6万円/坪を設計費としています。30坪の住宅の場合30坪×6万円=180万円+税です。坪換算にしているのは家が大きくなるとその分、書く図面の量が多くなり、作業量が増えるからという理由です。これを踏まえて設計契約の話に戻しますと、約30坪の住宅の設計費は消費税込みで200万円として、契約時に1/3とすると66万円の設計費用を支払うことになりますね。

工事費用がわからないのに、設計費用を払えますか?

皆さんは工事金額がいくらになるかわからない状態で、費用を支払うことはできますか?もちろん、私を信用して契約してほしいです。お客様の予算も踏まえて設計していますが、お客様の夢を盛り込んでいくと予算がオーバーすることもあります。オーバーした場合は、工事金額を精査しながら無駄を省き、時には豪華な仕様を諦めながら、調整して予算内に収めます。

「そうだとしても66万円を支払うのはあまりにも怖い!」というお客様がいること、よくわかります。

そうなると、「設計事務所は図面を書き工事をチェックするのが仕事なので、図面を書くことに費用をもらわないと成り立たなくなるんです」という設計事務所の意見と、「工事費用がわからないのに支払うのは怖いんです!」というお客様の意見は平行線のままになってしまいます。

「テラスインテラスの家」のビフォーアフターです(ほぼ同アングル)。お客様の要望をかたちにしたら、リビングの南側、西側、北側の3方向に開かれたインナーテラスを入れた開放的な住まいになりました。室内でありながらも外のような雰囲気をもった場所とすることで多様な使い方ができます。

事前の設計費は納得いただける金額に

そこで、私は提案をしました。それは契約時に1/3でお願いしていた設計費をお客様と相談の上で決めるというものです。予算を聞いた上でプランを提案しているにも関わらず、その予算内ではまったく成り立たないものを提案してしまったとしたら責任は私にもありますね。ですので、最初に発生する設計費を相談の上、お客様の心配にならない範囲で決めていけたらと思っています。それなら少しは安心して進めていけるのではないかと思っています。この提案いかがでしょうか。

この設計契約について、お客様が一番不安なことだと思いますので、これを理解していただけたらあとはご存じの通りです。打ち合わせをしながら図面を完成させて工事の見積もりをお願いします。納得の工事金額になったら工事契約をし、いよいよ着工です。

先ほども書いた通り、夢であふれるマイホームですので、いろいろと要望を盛り込みすぎて、工事金額がオーバーすることも多々あります。夢と現実の間でバランスをとりながら減額をし、希望の工事金額に合わせることが必要になりますので、お忘れなく。

コロナ禍ですので玄関に手洗いを設置したい要望は増えています。ここでは、単に手洗いの機能だけでなく、旅館の扉を開けてホッと一息つける、そんなイメージで玄関ホールを考えました。

予算内に収めたらあとはワクワクの連続!

工事中は実際の現場を見ながら仕上げのイメージをしたり、使い勝手を検討したりと出来上がっていく楽しさや、ここに住むんだというワクワク感でいっぱいになりますよ!住み始めてからの思い出もたくさんできますが、工事中の思い出もたくさんあるものです。最初にお会いした時はまだ小さかったお子様が完成するころには大きくなっているなんてこともよくある話です。

なんとなく設計事務所との家づくりがわかりましたでしょうか。一番心配だと思う費用について、メインで書きましたので少しでも不安が解消され、敷居が取り除けていただけたら幸いです。(ここに載せた費用はあくまでも私の事務所についてですのでお間違いなく!)

予算がなくてもいい家はつくれると思いますし、予算がないからこそ出るアイデアもたくさんあります。なによりお金がないと設計事務所に頼めない、ということはありません!一生に一度の大きな買い物ですからとことんわがままを言って自分らしい住まいを手に入れてほしいです。

たまに改装しているので今の事務所とは形状が若干違いますが、私の事務所です。広い道路に面しているため、開きすぎず、適度な距離感を取れる事務所にしました。斜めの壁より手前がお客さんのスペース、そして奥が作業スペースになります。

荒井 慎司

イン-デ-コード design officeを主宰。1979年2月18日宇都宮市に生まれる。宇都宮日建工科専門学校卒業後、TAKES設計事務所に入社。2008年、独立し、現在に至る。業務内容は、1.住宅、店舗、事務所、インテリアなどの企画、設計・監理、2.リフォームの企画、設計・監理、3.家具のデザイン等。
https://in-de-code.net  info@in-de-code.net

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