住宅購入と賃貸、どっちが得?数字で見る比較

あなたに合った住まいの選び方
「家は一生に一度の大きな買い物」と言われるように、住宅の購入は人生において非常に大きな決断です。一方で、近年はライフスタイルの多様化や働き方の変化により、「賃貸で自由に暮らす」という選択肢を取る人も増えています。では、長期的に見て「購入」と「賃貸」のどちらが本当に得なのでしょうか?
本記事では、住宅コスト・資産性・ライフプランの観点から、数字に基づいて徹底比較。住宅購入と賃貸、それぞれのメリット・デメリットを解説しながら、あなたに合った住まいの選び方をお伝えします。
住宅購入と賃貸の基本的な違いとは?
まずは「住宅購入」と「賃貸暮らし」の基本的な違いを整理してみましょう。
- 初期費用が少なく、引越しがしやすい
- 修繕や税金などの管理が不要
- 家賃は永続的に支払いが必要
- 資産にはならない
- ローン完済後は住居費が抑えられる
- 固定資産税や維持費がかかる
- 住宅が資産になる可能性がある
- 売却・相続が可能
【シミュレーション】 住宅購入と賃貸のコスト比較(30年間の場合)
ここでは、実際に30年間住み続けた場合のコストを比較してみます。
賃貸(家賃10万円の場合)
- 月額家賃: 10万円 × 12ヶ月 × 30年 = 3,600万円
- 更新料(2年ごとに1ヶ月): 15回 × 10万円 = 150万円
- 引越し費用(10年ごとに移動と仮定): 2回 × 50万円 = 100万円
- 合計: 3,850万円
購入(月々返済: 約10.1万円の場合)
※4,000万円の物件、頭金500万円、住宅ローン3,500万円、金利1.0%、35年返済
- 月々返済: 約10.1万円 × 12ヶ月 × 30年 = 3,636万円
- 固定資産税・保険など: 年間15万円 × 30年 = 450万円
- 修繕費・リフォーム: 30年で平均300万円
- 合計: 約4,386万円
資産としての住宅、老後の安心感に差は出る?
住宅を購入する最大のメリットは、「資産形成」です。ローンを完済すれば、住居費の多くを抑えられる上、老後に家賃の心配をする必要がなくなります。
一方で賃貸は、年齢を重ねるごとに契約更新や新規契約が難しくなるケースもあります。特に年金生活に入ると、一定の家賃支出が継続することが将来的なリスクになります。
ただし、住宅価格の下落や空き家問題など、「住宅を持つ=安心」とは限らないのも事実。エリアや築年数によって資産価値が変動するため、将来性のある立地を選ぶことが重要です。
ライフスタイルと住まいの柔軟性
近年は、テレワークや転職、副業など、多様な働き方が浸透しています。こうした中で、ライフスタイルに応じて柔軟に住まいを変えられる「賃貸」の自由度は大きな魅力です。
例えば…
- 転勤や転職で地方や都市に移動する可能性がある
- 子どもの進学に合わせて住まいを変えたい
- 結婚・離婚などライフイベントの変化に対応したい
こういった場合、持ち家は「流動性の低さ」がネックになる可能性もあります。
ただし、近年ではリモートワークによって「地方に家を建てて広く暮らす」選択肢も注目されており、ライフスタイルによっては購入の方が合理的なケースもあります。
購入が向いている人、賃貸が向いている人の特徴
- 長期的に同じ地域に住む予定がある
- 将来的に住宅ローンを完済し、住居費を抑えたい
- 資産形成をしたい
- 家族で安定した暮らしを求めている
- 転勤・転職などで移動が多い
- 将来の住まいに不確定要素が多い
- 初期費用を抑えて暮らしたい
- 修繕や管理に手をかけたくない
「住宅購入と賃貸、どちらが得か?」という問いに対して、明確な正解はありません。大切なのは、金銭的なシミュレーションと、ライフスタイルの価値観の両方を天秤にかけて考えることです。
- 安定した暮らしを求めるなら「購入」
- 柔軟に動きたいなら「賃貸」
- 老後の安心感を重視するなら「持ち家」
- メンテナンスの手間を省きたいなら「賃貸」