住宅ローンって家の購入以外にも使えるの?土地購入から諸費用まで徹底解説

住宅ローンでどこまでカバーできる?
家づくりを始めると、誰もが一度は「住宅ローンって、土地の購入にも使えるの?」という疑問を抱きます。建物だけでなく、土地や諸費用までカバーできるのかどうかは、資金計画に大きく関わる重要なポイントです。さらに、「外構工事は?」「登記費用は?」「引っ越し費用は?」と、家づくりには見えにくい費用が次々に発生します。今回は、住宅ローンで対応できる費用の範囲について詳しく解説し、安心して資金計画を立てられるようサポートします。これからマイホームを計画する方は、ぜひ参考にしてください。
住宅ローンとは?基本をおさらい
住宅ローンとは、主に「住宅の建築費」や「住宅の購入費用」に対して金融機関が貸し付ける長期のローンです。返済期間は一般的に10年〜35年と長期にわたり、金利も固定型・変動型・期間固定型などから選べるようになっています。
住宅ローンにはいくつかの種類があり、民間金融機関が提供するローンのほかに、住宅金融支援機構が提供する【フラット35】や、地方自治体が独自に支援する住宅ローン制度も存在します。利用者はそれぞれの条件やライフプランに応じて選択していくことが重要です。
土地購入費用は住宅ローンに含められるのか
結論から言うと、「住宅ローンで土地購入費用をカバーすることは可能」です。ただし、一定の条件を満たす必要があります。
土地と建物を一体でローン申請する場合
住宅ローンの多くは「建物が建つこと」を前提としています。よって、「家を建てるための土地購入」であれば、建物とあわせて住宅ローンに組み込むことができます。これを「一体型ローン」と呼び、土地代・建物代の両方を一本のローンで借り入れる形式です。
土地先行融資とは?
土地の購入と建物の建築に時間差がある場合、土地購入時点で資金が必要になります。こうしたケースで利用されるのが「土地先行融資」または「つなぎ融資」です。これは、土地購入時に一時的に借り入れ、建物完成後に住宅ローンで一本化する方法です。金利が若干高めに設定されることもありますが、自己資金が不足している場合には有効な手段です。
建築条件付き土地の注意点
「建築条件付き土地」の場合、指定の施工会社で一定期間内に建物を建てることが条件となります。このようなケースでは、あらかじめ土地と建物をセットで購入することになるため、住宅ローンでスムーズに対応できることが多いです。
住宅ローンで対応できるその他の費用
住宅ローンは建物や土地以外にも、さまざまな「付帯費用」に対応しています。以下に主なものを挙げて解説します。
設計費・申請費用
注文住宅を建てる場合、建築士への設計料や、建築確認申請にかかる費用が発生します。これらも住宅ローンに含めることが可能な場合があります。
地盤調査・地盤改良費
安全な家づくりには、土地の地盤調査と、必要に応じて地盤改良が欠かせません。このような工事費用も、建築に必要な費用として住宅ローンに組み込めることがあります。
外構工事 (エクステリア)
駐車場、フェンス、ウッドデッキ、庭などの外構工事も、「住宅の一部」と見なされることが多く、住宅ローンの対象になることが一般的です。ただし、金額や内容によっては認められない場合もあるため、金融機関への確認が必要です。
登記費用・各種手数料
土地や建物の登記にかかる費用(所有権保存登記、所有権移転登記、抵当権設定登記など)も住宅取得の必須経費です。これらは住宅ローンに組み込めるケースが多く、事前に見積もっておくと安心です。
火災保険料・団体信用生命保険料
住宅ローンを組む際には、火災保険や地震保険への加入が義務付けられている場合があります。また、団体信用生命保険(団信)は、ローン契約者に万一のことがあった際にローン残債を免除する保険で、多くの場合、ローンに組み込まれています。
引っ越し費用・家具購入費
住宅ローンでは原則として「住宅本体に関係する費用」のみが対象となりますが、金融機関によっては引っ越し代や家具購入費も対象にできる「多目的住宅ローン」や「リフォームローン」を併用できることもあります。
住宅ローンではカバーできない費用
すべての費用が住宅ローンでまかなえるわけではありません。以下のような費用は原則として対象外です。
手付金・中間金
土地や建物の契約時に支払う手付金や、中間金(着工時などに発生する)については、住宅ローン実行前に支払う必要があるため、自己資金で対応しなければならないケースがほとんどです。
家電製品や生活雑貨
冷蔵庫、洗濯機、カーテンなどの日常用品や家電類は住宅ローンの対象外です。これらは別途資金を用意する必要があります。
印紙税や住宅ローン保証料の一部
契約書に貼る印紙代や、ローン保証会社に支払う手数料も、一部金融機関では住宅ローン対象外とされています。事前に内容をしっかり確認しましょう。
住宅ローンを活用した資金計画の立て方
住宅ローンは多くの費用をカバーできるとはいえ、自己資金とのバランスをしっかり考えることが重要です。
自己資金の目安
一般的には、総費用の2割程度を自己資金として準備するのが望ましいとされています。自己資金が多ければ、借入額が減り、毎月の返済負担も軽減されます。
つなぎ融資・分割融資の活用
土地を先に購入し、建物は後で建てる場合などには、「つなぎ融資」や「分割融資」が有効です。建物完成時に住宅ローンで一本化することで、手元資金を有効に活用できます。
金融機関によって条件は異なる
同じ内容のローンでも、金融機関ごとに審査基準や融資範囲が異なります。「どこまでローンでまかなえるのか?」を確認するには、複数の金融機関に事前相談をするのがポイントです。