古い戸建ての耐震化 | どのような家がやるべき?工事費用と内容は?
耐震化を推奨する住宅は?
日本は地震が頻繁に発生する「地震大国」として知られています。過去には多くの大地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。そのため、特に古い家や地盤が弱い場所に建てられた住宅に住む人々にとって、耐震化は非常に重要です。耐震化を特に推奨するのは、一般的に1981年以前に建築された住宅です。この理由は、日本の建築基準法が1981年に改正され、耐震基準が大幅に強化されたためです。
耐震基準の改正
1981年に施行された新しい耐震基準(「新耐震基準」)は、それ以前の基準と比べて地震に対する安全性が大幅に向上しています。この新基準に基づいて建てられた住宅は、震度6強から震度7程度の地震に耐えられるよう設計されています。
一方、1981年以前に建てられた住宅は「旧耐震基準」に基づいているため、耐震性能が不足している場合が多いです。そのため、耐震性能が劣っている住宅については、耐震化を強く推奨します。
耐震診断について
耐震診断は、専門家が建物の耐震性能を評価するプロセスです。以下の流れで進めるのが一般的です。
- 現地調査: 専門家が建物の構造、材質、劣化状況などを詳細に調査します。
- 耐震評価: 調査結果に基づき、建物の耐震性能を評価します。必要に応じてシミュレーションを行い、地震時の挙動を予測します。
- 結果報告: 評価結果を報告書としてまとめ、耐震化の必要性や具体的な対策を提案します。
耐震化の工事費用は?
耐震化の費用は、建物の規模や状態、使用する材料や工法によって大きく異なります。一般的な費用の目安や参考例は以下の通りです。
小規模な補強工事
金額 | 数十万円〜100万円程度 |
内容(例) | 壁の補強: 壁に筋交いを追加したり、耐震パネルを取り付ける工事。 基礎の補強: 基礎部分に炭素繊維シートや鋼板を貼り付ける工事。 金物の取り付け: 柱と梁、柱と土台の接合部に金物を取り付けて強度を増す工事。 |
中規模な補強工事
金額 | 100万円〜300万円程度 |
内容(例) | 耐震壁の新設: 既存の壁を撤去し、新たに耐震性能の高い壁を設置する工事。 屋根の軽量化: 重い瓦屋根を軽量な金属屋根やスレート屋根に変更する工事。 基礎の改修: 基礎部分に新たな補強材を挿入したり、コンクリートを追加打設する工事。 |
大規模な補強工事
金額 | 300万円以上 |
内容(例) | 全面的な構造補強: 建物全体を支える柱や梁を補強する工事。 建物の一部解体再建築: 必要に応じて建物の一部を解体し、新たに耐震性能を持つ部分を再建築する工事。 基礎の全面改修: 既存の基礎を全面的に改修し、新たな基礎を打設する工事。 |
ただし、これらはあくまで目安であり、具体的な費用は耐震診断の結果や工事内容によって変動します。
耐震化の補助金や制度
耐震化にかかる費用を軽減するため、多くの自治体では補助金制度を設けています。栃木県では、主な補助金制度には以下のようなものがあります。
耐震診断士派遣事業 | 耐震診断の実施を希望する方に対し、市町が無料で耐震診断士を派遣する事業。 |
補強計画策定助成事業 (一部の市町) | 耐震診断結果に基づき補強計画を策定する方に対し、その費用の一部を助成する事業。 |
耐震建替助成事業 (一部の市町) | 住宅の耐震化を図るために、既存住宅の建替えを行う方に対し、その費用の一部を助成する事業。 |
総合支援助成事業 | 耐震補強工事を行う方、または耐震建替工事を行う方に対し、設計を含むその費用の一部を助成する事業。 |
具体的な補助金制度の内容や申請方法は自治体ごとに異なるため、住んでいる地域の自治体に問い合わせることが重要です。
詳しくは、栃木県公式ホームページで▼
https://www.pref.tochigi.lg.jp/h10/town/jyuutaku/kenchiku/jyuutaku_taisinnka.html