休日を満喫するホームシアターのある住まい
コンセプトは「巣ごもり」できる家
聞けば、住まいづくりのコンセプトは「巣ごもり」とか。最近「巣ごもり消費」という言葉を耳にしますが、Hさんご夫妻の言うその言葉には「わが家で過ごす時間を存分に楽しみたい」という思いが込められています。
広いリビングとこだわりのホームシアター
夫婦共働きのHさんは、平日は二人とも仕事で忙しく、帰宅が夜遅くなることも珍しくないそうです。1日の疲れを癒やす場所として、また、休日はゆったり伸び伸びと過ごす空間として重視したのがリビングでした。
「わが家の間取りはリビングを中心に描いていきました」と夫のMさん。居心地重視の空間はLDK全体でおよそ23帖と広々。隣り合うタタミルームは小上がり式で広さは約4.5帖あります。客間としてつくった部屋ですが、引き戸を開け放てばLDKと一体になり、ヨコ方向の広さが感じられます。
リビングをより広い空間として印象づけているのが、タテ方向に広がる吹き抜けです。天井のシーリングファンとダウンライトが開放的な雰囲気で、リゾート地に建つ高級ホテルの趣です。
こだわりのホームシアターで休日を満喫!
この広々とした空間に、Mさんの希望で設置したのがホームシアターです。吹き抜けの壁の一部にプロジェクターと天井スピーカーを埋め込み、対面する壁に電動式のスクリーンを配しました。施工にあたってはオーディオ専門店に何度も足を運び、性能やデザインを含めてお気に入りの機種を選定したそうです。
「ゆっくりできる休日はソファに身をゆだね、話題の映画や好きなミュージシャンのライブ映像を観るのが一番の贅沢です。細部までこだわった空間で過ごしていると仕事の疲れも吹き飛び、心身ともに癒やされますね」とご夫妻は口をそろえます。
落ち着く、遊び心のある小空間
Hさん宅には遊び心たっぷりの部屋があります。玄関を入り、正面のガラス張りの部屋は小さなカフェコーナー。リビングに接する約2帖ほどの小空間です。そこには造り付けのカウンターとイスが置かれ、おしゃれなインテリアでコーディネートされていました。
「他の家にはなかなかない、わが家だけの特別な空間がほしくて、このカフェコーナーをつくりました」と妻のAさん。ここはAさんが日々の家事から離れてゆっくりとお茶を楽しむ空間であり、Mさんにとっては喫煙ルームとしても機能します。壁には換気扇が完備されていました。
「一般には『無駄な空間』と思えるかもしれませんが、見方を変えれば『贅沢な空間』と言い換えることもできます。暮らしのちょっとした余裕として、こういう場所があってもいいと思いました」とAさんは続けます。
2階の秘密基地はお楽しみ空間
さらに、もうひとつのお楽しみ空間は2階の書斎。2階のホールには一見すると造り付けの本棚がありますが、実は本棚自体が隠し扉になっていて、本棚を横にスライドさせると約4.5帖の広さの部屋が現れます。Mさんはここを「秘密基地」と呼び、書斎として使っているそうです。
カフェコーナー、秘密基地ともに遊び心たっぷり。ご夫妻はそれぞれに、小空間だからこそ感じられる特別な居心地を楽しんでいました。
毎日の家事がスムーズになる生活動線
日々の暮らしを愉しむのはもちろんですが、Hさん邸には快適な生活を送るための工夫があり機能性も抜群です。浴室、洗面脱衣室など暮らしのバックヤードといえる空間の隣に、室内干し専用のドライルームとウォークインクローゼットを配しました。
「洗濯物を朝干して、帰宅後に取り込むとなると夜遅くになってしまうことから、室内干しできるドライルームはぜひともほしい空間でした」とAさん。隣り合うウォークインクローゼットは普段着専用の収納スペースとして設けました。
ポイントはキッチンの奥に水まわりを集約させたこと。「洗う」「干す」「しまう」の一連の作業がスムーズに完結する生活動線を確保したことで、共働きの家事の負担も軽減されたそうです。居心地や遊び心だけでなく、機能性にも配慮した住まいが完成しました。